月夜見山荘/おすくにのブログ

南アルプスの麓、日本で最も人口が少ない町・山梨県早川町に移住して20年。地域の人たちから教わってきた山の暮らしの知恵や技術を継承するために、山の暮らしの豊かさを分かち合うるオーベルジュ(宿泊施設のある飲食店)を2019年1月に開設。このブログでは、私たちの暮らしぶりや四季折々の山の恵みを紹介していきます。

地野菜、在来種

西山いんげんの「ねっくり」

具材を煮て、沸騰した煮汁の中にそば粉を入れて、かき混ぜます。練りくるから「ねっくり」。※「ねりくり」と言ったりもします。 粉食文化・早川町の郷土料理で、サツマイモやカボチャを昆布や煮干しの出汁で煮たところにそば粉を入れるのが通常のやり方です…

西山インゲンのポタージュ

西山インゲンとは、早川町の西山地区で作り継がれてきた在来のインゲン豆(うずら豆)。西山から早川集落にお嫁に来たみさえさんが、嫁入りの際に持ってきたので、早川集落では「みさえ豆」と呼ばれたりもしています。 そんな西山インゲンが収穫の時期を迎え…

秋のコース料理

コース料理もすっかり秋らしくなりました。このところお出ししているコース料理をご紹介いたします。 秋の前菜プレート(冬瓜の煮物、揚げかぼちゃ、こんにゃくの粕漬け、曙大豆の枝豆、オオモミタケの煮貝風、黄金いくらと山芋の和え物) シイタケとマイタ…

冷汁(ひやじる)

いりこ出汁に生味噌を溶き、それに刻んだ茂倉ウリと、エゴマ、ミョウガ、大葉などの薬味をたっぷり入れた冷汁。麦飯にかけて、かき込むように食べます。 夏、暑い日が続き食欲がないときでも食がすすむようにと作られた、早川の郷土食。夏を…

冬のコース料理

久しぶりにコース料理(5000円コース)のご予約をいただきました。 本日の前菜は籠盛り。12時から時計回りに、 ・大根の干し葉の卵とじ・島根芋の芋茎の酢漬け・セリの胡麻和え・西山いんげんの煮豆・菜の花の辛子和え・寒ざらし大根のもろみがけ そして真ん…

ゴボウのスープ

近所の方から大きく育ったゴボウをいただきました。先日の女子会の際に、スープにしてご提供いたしました。 ゴボウは直径が2センチ以上ありましたので、薄くスライスして長ネギの白い部分と一緒にオリーヴオイルで炒め、フードプロセッサーで細くしました。…

晩秋のコース料理

明日は立冬。秋と名乗れるのは、暦の上では今日までです。本日、ディナーのご予約をいただきました。ご提供させていただいた晩秋のコース料理をご紹介いたします。 山の前菜 ・むかごの味噌ごまよごし ・おろ抜き大根のナッツ和え ・ハヤト瓜のナマス ・銀杏…

夏のコース料理

昨夜はディナーのご予約がありました。5000円のコース料理を作りましたので、ご紹介いたします。 【コース内容】 夏の摘み草を使った前菜三種 湯葉巻き 山の珍味プレート(鹿レバー燻製、豆腐味噌漬け、稚鮎山椒煮、チチタケ炒め煮) 夏野菜の冷汁 アマゴ焚…

茂倉ウリ

早川町内では、昔から、自分で種を取って作り継がれてきた自家採種の作物がいくつかあります。 その中の代表格が茂倉ウリ。茂倉(もぐら)という集落で作り継がれてきた、昔ながらのキュウリです。 茂倉ウリ。地元の人にとっては、右上のが食べごろ。 形はず…

暑気払いの宴席

昨夜は、地元の皆様が、職場の暑気払いでご利用くださいました。 地元の方の宴席が結構、悩むんですよね。どういう料理をお出ししたら喜ばれるのか。 山のものは普段みなさん食べ慣れていらっしゃいますし、実はジビエや川魚は結構苦手、という方も多いので…

夏野菜の白和え

白和え。 早川町民と切っても切り離せない食べ物です。 川魚や獣肉なども食べてきましたが、基本的にタンパク源を大豆に頼ってきた山の人々。大豆は様々に加工、調理され食べてきましたが、中でも豆腐はご馳走の部類。「豆腐小屋」と呼ばれる共同の加工所が…

見ているだけで楽しい「ウズラマメ」

ご近所さんちの縁側に、豆が干してありました。 ウズラマメの仲間だと思います。

冬の保存食、切り干し大根

ご近所さんが、切り干し大根を欲していました。 たくさん取れた大根を、冬の間の保存食に。 昔ながらの知恵ですね。

アカモロコシ

稲又集落にて、乾燥中のアカモロコシを発見。 町内でも、最近は滅多にお目にかかれない光景です。 餅にしたり、ご飯と一緒に炊いたり、 粉にしてアンビン(まんじゅう)にして食べたりします。 ほんのりピンクに染まる色と、香ばしさが特徴。 伝えていきたい…